山ごもれるやまとしうるはし

いろんな場所を訪ねたり、小さなことなど

VIVA!奈良! VIVA!正倉院展!

もう12月になろうかと言うのに今更正倉院展???なんてあきれないでくださいね。
奈良大好き、正倉院展大好きな私には 避けて通れない毎年のマストイヴェントなわけなんです。

だけど、いろいろ忙しくしていたし、風邪もひいちゃって、それも長引いてどうも調子がイマイチでもあり、延び延びになって今日にいたってしまいました。

しかーし!
気を取り直して今日は奈良の話題で行くのだーーー!えいえいおーーー!

というわけで…(どういうわけやねん、( ゚Д゚)ドルァ!!)
香港から帰国してすぐ、風邪ひいてけっして万全の体調ではない時期でしたが私には使命とも思える正倉院展に期間中2度行ってまいりました。
ずっとながいこと歴史(そう、ずっと奈良時代の歴史のお勉強を何十年も続けているんです)のお勉強をしているのでもう毎年ほんとに楽しみで、必ず2度、できれば3度行くのが私の流儀です。

そしてついでに平城宮跡資料館の同時期の特別展たる「地下の正倉院展」にも参上いたします。
こちらはその名の通り発掘された正倉院展、ということで木簡を展示しています。
大昔には紙はほんとに貴重品だったので、たいていのことは木簡と呼ばれる板状の木に墨でいろんなことを書いていて、それがいろんな偶然が重なって現代にまで残り、発掘されることがあります。
そこに書いてある内容で、当時のいろんなことがだんだんわかるわけです。

でも、これを書き出すときりがないのでこちらは置いといて。
本来の正倉院展とそれに伴う奈良の秋の景色なぞをお見せしたいと思います。
 
ということで、複数日の奈良の景色ですからお天気とか時間経過がおかしいところもありますが、お許しくださいましね。

 


とにもかくにもやってきました正倉院展!わーい。

 

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行かれた方もいらっしゃるでしょうね。
正直言って、私はちょっと今年は地味な印象を受けましたがみなさんはどう思われましたか?

 

んで、正倉院展のなにがすごいのかと言うことですが、このお宝たちのすごいところはすべてが「発掘されたものではない」というところ
つまり、土の中から掘り起こしたものではなく、どの時代も人間の管理の下で伝来してきたもの、と言う物凄さです。

 

正倉院の宝物はたいてい8世紀のものなんですが、8世紀のものが地中に埋もれることなくずっと人の手から手に渡って今に至る宝物って、実は世界広しといえどもこの正倉院のお宝だけなんですよ。
それだけでも私は感動して涙があふれてきます。(゜-Å) ホロリ 

 

んで、今年のお宝の何に感動したかはもちろん人それぞれですが、私は長年歴史のお勉強(文献史学です、ずっと日本書記や続日本紀やそれらに付随する文字史料と格闘しています)のせいで、どうしても文字資料に目が向いてしまいます。

今年もいろいろ出ていて、ほんとに堪能させていただきました。
なんとなく感じたのは、今回のテーマカラーは緑だなと。
ガラスのお椀?も緑だったし、小物入れ?の箱も薄緑の地色、緑の帳も出てましたね。
テーマカラーなんてほんとうに考えておられるのかどうか知るすべもありませんが、私はなんとなくそんな気がしました。

オマケ話としましては
最勝王経の帙(ちつ)が展示してありましたでしょ。

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                         画像は正倉院展のHPから。

 

これに文字が刺繍してあるの気が付かれました?
「天下諸国毎塔安置金字金光明最勝王経」「依天平十四年歳在壬午春二月十四日勅」と刺繍してあるんですが、この「天平14年2月14日」が謎なんですわ。
関係する日にちとしては、聖武天皇が出された「国分寺国分尼寺建立の詔」が思い浮かびますが、その日付は続日本紀では天平13年の3月24日、類三(類聚三大格)や政治要略では天平13年の2月14日なんです。

今の私たちが知る限りでは、天平14年2月14日にはそういった類の詔勅は出てないんですよね。
いったいなぜこんな日付が刺繍されたのか、学会の長年の謎なのであります。

どなたか、この謎ときにチャレンジしてみては如何でしょう。

そして、もし今年を見逃された方も、来年はいちど足を運んでみてくださいね。
はるか昔の天平人の美意識や息づかいをぜひ実際に感じてみてください。

 

…というわけで
オマケの晩秋の奈良の写真いろいろです。
あまり良いお天気には恵まれませんでしたけどそれもまた趣ということで。
まずはお約束?の東大寺近辺です。

 

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雨に煙った東大寺境内の素晴らしい紅葉

 

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東大寺勧学院の庭越しに見た夕陽

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誰そ彼どきの興福寺の塔

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仏教美術資料研究センター 素敵な建物ですよね。
時折中に入れるらしいですが、私はまだ入ったことないんです。いつか入りたいわー。

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浮見堂、お天気がイマイチだったので残念でした。

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ずーっと寄ってみましたyo。

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すぐそばの荒池
こちらもイマイチのお天気と、ちょっと夕焼けのタイミングを逃したので残念な写真になっちゃいました。(´Д`)ハァ… 

 

そして、ちょっと遠出した奈良の景色です。

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若草山をバックにした薬師寺の遠景です。
きっと皆さん一度や二度このアングルの写真を見たことあるでしょー*1

今は東塔が修理のためにすっぽり覆われてます…

東塔見ないで薬師寺行く気がしないので、この定番スポットから遠景をば。

 

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 可能な限り近づきました。私のカメラではこれが限度。

西塔もきれいだけど、やはり二つ揃ったのが圧巻ですね。
この日もお天気悪く、ほんとに残念でした。

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池のまわりの山々、まさにたたなづく青垣。
そして、快晴じゃなかったので低く垂れこめた雲…
こんな景色をみると、ああ、ほんとに神様がおわしますと思います。すばらしいなあぁ。

 

 

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こちらは秋篠寺の入り口です。
遅くに行ったので、中に入れず、入り口だけですが、紅葉が素敵な入り口でした。

 

そしてもう一か所、おまけのオマケでぬあんと恭仁京にも行ってまいりました。
こちらは木津川市で、厳密にいえば奈良じゃないんですが、聖武天皇がほんの少しの間都にされていた場所です。

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最初にも書きましたが私は奈良時代の歴史のお勉強もしているので、恭仁や紫香楽(しがらき、そう、たぬきで有名な信楽のことです)の地もとても親しみを持っています。
どちらも不便なところなのでそうそう行ける場所ではありませんが、今回ちょいとチャンスがあって二十数年ぶり(たぶんそれくらいたってると思う)に行ってきました。

昔と違い整備が進んで、リーフレットも作ってあったし、小さいながらも文化財整理保管センターなるものができていて、若干の展示やビデオの上映もしていました。

 

ということで、今秋の私の奈良はひとまず終わりです。
最後は恭仁京のコスモスでお別れします、長文お付き合いくださってありがとうございました!

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*1:´∀`